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アニメ「フレームアームズ・ガール」と9話を絶賛する



フレームアームズ・ガール

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 今期アニメも終盤戦。次々と佳境に入り始め、オタクの中での評価も固まってきた頃合いだと思われますが、自分は今フレームアームズ・ガールに夢中です。安定感という意味では今期一好きですね。今後への期待感という意味ではRe:CREATORSでしょうか。

 さてフレームアームズ・ガールですが、ざっくり言えばフレームアームズというコトブキヤが展開しているプラモデルを美少女化した企画のアニメ化です。

 例えば上段フレームアームズスティレットフレームアームズ・ガール化したのが、下段の美少女版スティレット、通称「スティ子」です。

 

 

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 これまた大胆な商品展開。重厚な設定のロボットとして愉しむ事もできれば、見ているだけで癒されるかわいい美少女としても堪能できるます。ガールたちは基本3Dですが、これがまた元はプラモデルという存在と合わさって、独特の雰囲気が形成されています。 

  ぶっかけ板の一部の住人以外は、スティレットよりスティ子の方がかわいいと認識するでしょう。コトブキヤもまずガール側から攻めてチョロいオタクの心をキャッチする作戦できました。

 見事フレームアームズに骨抜きにされたオタクたちは、ガールの素体だけでは飽きたらず、フレームアームズの方の武装と組み合わせたり、こうなったら「美少女要素要らなくね?」と気づきフレームアームズの方だけにハマったりと、とにかくコトブキヤにハートを鷲掴みにされた訳です。

 因みに基本的に男性が登場しませんので、同人誌が描かれる場合は竿役がガンプラとかになると予想しているのですが、

 よく考えるとガンプラの前に元からフレームアームズが居ましたね。どちらにしろ竿役になられると、凌辱よりバトルしてくれという感じですが。

 

源内あおちゃん 

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 そんな今作の主人公が「源内あお」ちゃん。ちょっと間抜け面で守銭奴ながら、憎めない女子高生。

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 似たような設定のアニメ版武装神姫良くも悪くも印象的だった男性主人公(観慣れると結構好きになります)と違い、正統派美少女で攻めてきました。男性性が排除された事により、プラモデルアニメというよりほのぼの百合日常モノに近い印象を受けます。

 と言っても、プラモデル要素もがっつり組み込まれていまして、寧ろプラモデルに全く興味のない女の子を主人公に設定した事により、彼女を通して全くの初心者の視聴者に一からプラモデル全体の仕組みを解説させる構成は見事です。アオいいよね……。

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 そんな彼女の魅力は何と言っても表情豊かな事。FAガールを戦わせてお金儲けを企てたり、FAガールたちに下着を脱がされて恥じらったりお尻にネギを刺されて慌てふためいたりと、感情を学ぶことが目的であるFAガールには打って付けの人材です。

  そんな彼女自身もフィギュアになります。手のひらには轟雷も乗っています。轟雷視点で見れば等身大ですもんね。勿論ファンとしては43249280932130クール続いて欲しいですが、もしフィギュア発売日まで放送していたら、このあおちゃんフィギュアがメインになる回は絶対あったでしょう。このアニメはそういう信頼を置けるアニメです。

 因みに秋葉原コトブキヤ内にサンプル展示されていますので、不審に見られる覚悟があれば、ショーケース前で屈むことによりあおちゃんのパンツが拝めます。

 

 

9話「あしたもいっしょに」

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 どの回も1話完結で綺麗に纏まっており、基本的に部屋内か学校だけで話が動く、こじんまりした小さな冒険感が魅力です。テーマとして「FAガールに感情を学ばせる事」がメインな教育的な話が多いので、是非お母様もお子さんに勧めてみてください。きっとプラモデルの女の子が性癖になるでしょう。

 そんなどの回も素晴らしいフレームアームズ・ガールの中でも、特に9話はパーフェクト。ネタバレになるので、以下は適当にアレして読むなり退避するなりでお願いします。

 

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 内容としては風邪を引いたあおちゃんを看病する日常回がAパート。あおちゃん含めたFAガールが共通の夢を見るBパートという構成なのですが、このBパートは涙無しで見られません。

 あおちゃん達が見た夢は「FAガールたちが人間と同じ等身の普通の女の子」になるという同人誌のような内容。

  設定に忠実すぎる同人誌だと挿入シーン描けない問題もこれで解決。しかし、武装する彼女たちとプレイしてこそFAガール本の本懐という気持ちもあります。まぁその辺りはえっちな同人作家たちに任せましょう。

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 人間になって大好きなあおちゃんと多摩動物公園を満喫するFAガールたち。このシーンのお陰で多摩動物公園駅には、人間態になったFAガールの等身大パネルが展示されているのですが、これだとフレームアームズを美少女化したフレームアームズ・ガールからフレームアームズ要素を抜いたただのガール」になります。

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 多摩動物公園デートを終えて帰宅中の彼女たち。運悪く水たまりの上を走る車のせいで、跳ねた水が掛かって怒ってしまうのですが、そこで思わずあおちゃんが「飛んで避ければ良かったのに」と口走ってしまうと、彼女たちは一斉に「飛ぶ……?」と訝しげな視線を向けます。完全にホラーです。

 何故なら彼女たちの認識は普通の女の子。当然、武装がついている訳でもないのに飛べる筈ありません。あおちゃん一人が世界への違和感を持っている世界観は、ビューティフル・ドリーマーを彷彿させますね。

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 その後もあおちゃんは度々世界の矛盾を口に出しては、FAガールたちを絶句させたりするのですが、何だかんだ女子高生としての彼女たちとパラレルで素敵な日常を過ごします。

 挿入歌とともに、バンドを始めたり、お祭りに参加したり、クリスマスを全員で過ごしたり……あり得るはずのない青春をこれでもかと謳歌する彼女たち。この時点で1話から観ていると涙が止まらないですね。全員でのお祭り参加は、あおちゃんの夢の一つでもありました。

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 ラストは感動の卒業シーン。夢オチと分かっていても、あおと同じ日常を過ごしたいFAガールたちと、更にはFAガールのその夢を叶えてあげたいあおちゃんの感情を踏まえると自然と視界が霞みます。

 ここまで観てきた視聴者たちへのご褒美のような回ですね。例えば数クールあるアニメならこういったif回は一度くらいありそうですが、それを1クール目の山場に持ってくる出し惜しみしなさが素晴らしい。

  これなんですよね。オタクの考えたパラレルSSそのもの。過酷なアリスゲームもなく球体関節でもない薔薇乙女たちの日常の妄想で、青春の一ページを綴ってきた身としては、まるで10年前の悲願が叶ったような感覚です。

  因みにこの頃は、何故か女子高生になった薔薇水晶水銀燈のこと無条件で大好きという共通認識があり、自分もその辺りが大好きでした。

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 いいよね……。晴れて人間になった轟雷とあおちゃんや、天才少女バーゼに世話を焼きつつ依存するお姉さんスティ子……。

 という訳で、全てにおいて手を叩いて絶賛するアニメの中でも、自分の中では10年以上追っていたモノへの解答のような9話は、特別な意味のある最高の回だったというお話でした。

 僕もあおちゃんの元で感情を学びたい……。