00年代オタクを刺激してくる「ぱすてるメモリーズ」3話ローゼンメイデンパロ回の魅力
ぱすてるメモリーズ
2019年初めのアニメたちも3話程度まで放送され、大体の評価も固まってきた頃だと思われます。早速本題から入りますが皆さんは美少女アニメ版ディケイドこと「ぱすてるメモリーズ」を視聴しているでしょうか? アニメは全部観ろ。
ぱすてるメモリーズはいわゆるソシャゲ原作アニメなのですが、原作ファンが困惑するほどにアニメ版の内容が意欲的でして、僕はこういったアニメスタッフの暴走が大好きです。具定例は戦国コレクションなど。
さて、ぱすメモの大筋はオタク文化が衰退した世界の秋葉原を舞台に過去のオタクコンテンツの思い出を取り戻すと言った内容でして、1話はほぼ世界観と設定に終始したので皆ちょっとパロディ多めなソシャゲアニメかなと油断していたのですが、2話でお出しされた絵面が……
どことなく木組みと石畳のような街で頭部にウナギを乗せたゾンビ状態のチノちゃんの偽物にコーヒーを淹れられるヒロインたち。
何を隠そう本作のメインは、各話ごとに元ネタとなる美少女アニメの世界へヒロインたちが突入し、そこで出会ったキャラクターたちの悩みを解決して帰っていくというパロディ9割で出来ているような冒険的な内容。
今年は平成ライダーが絶好調なので連想した方も多いと思われますが、僕は個人的に本作を無許可ディケイドと呼んでいます。と言っても、一応怒られるギリギリかつ元ネタへのリスペクトは節々から感じられますのが本作品の魅力。喝采を博した木組みの街の背景やBGMの再現度は出色の出来。2話のタイトルは「ご注文は?と言われても……」。
3話はローゼン回なのですが、シリーズ構成かつ脚本を務めた玉井☆豪先生はローゼンの脚本でお馴染みですので一応の繋がりはあるのです。4話のロウきゅーぶ! 回も先生が脚本していたアニメですね。まあ、ごちうさは全く関係ないですが。
玉井豪先生といえば、モモキュンソードやビキニ・ウォリアーズなど色々な意味で僕が大好きなアニメも担当していらっしゃるのですが、なんと言っても小麦ちゃんの印象が強い。これは伏線ですので、今の一行を覚えて読み進めてください。
ビキニ・ウォリアーズOVAでのバカには見えないビキニアーマーを着けて堂々と街中を歩く全ヒロインたちの絵面は感涙モノ。
今期はチノちゃんがたくさん居て嬉しい!
これはガチのガチで本当の話なんですけど、天皇と一緒にアニメ観てたら「えんどろ〜! 観てないヤツ、平成より先に終わるだろうね」と仰っておりました
— に (@nyalra) January 19, 2019
えんどろ~!を観ていないオタクは確実に人生の10割損をしていますので、億が一未視聴の方が居れば、こんな記事読む前に一刻も早く1話へ飛んでください。
閑話休題。今回はそんなぱすてるメモリーズのローゼンメイデンパロ回が良い感じに00年代オタクの心を刺激してくるというお話をします。
薔薇色の乙女、なの
記事の本題である、ぱすメモ3話のタイトルは「薔薇色の乙女、なの」。今回のメインはドール趣味でミステリアスな少女江戸川橋 美智ちゃん。
ウィルスの影響でオタクコンテンツの思い出が曖昧になったヒロインたち(余談ですがぱすメモには、ヒロインの中に演技から口調までにゃ~たんと同じヤツとどこをどう見ても見た目が羽川翼なヤツが居ます)。作中アニメである「薔薇色の乙女」の内容も曖昧で、「カバンに乗って空を飛ぶやつ」と間違ってはいないもののだいぶ遠い理解。原作ファンである美智ちゃんはブチギレ状態。
そんなこんなで、今回はオタクたちの脳内に薔薇色の乙女の思い出を取り戻すべく、ヒロインたちはアニメの中へ。飛ばされた先は平凡な一軒家。
ローゼンファンなら、もう例の階段が出てきただけで笑いますが、部屋の絶妙な再現度は完全にこちらの負けです。流れてくるバイオリンっぽいBGMも相まり、もうローゼン知らない人が見たらどうなるんだと不安になるレベル。
部屋内を漁ったらでてきた、最初にローゼンらしさを感じさせるアイテムが選りに選ってコレなのは天才的なセンスを感じます。
ローゼンメイデンを知っていたら死ぬほど面白けど、ローゼンメイデン知らないと全く意味不明な内容を、ローゼンメイデンと全く関係ないソシャゲ原作アニメでやる意欲、僕は敬意を表します
— に (@nyalra) January 21, 2019
探索中に突如窓ガラスが派手に割れ、空飛ぶカバンが部屋へ突入。どこかで見た光景ですね。美智ちゃんと同様に視聴者も期待に胸を膨らませながらカバンを開く瞬間を見守ると、そこから出てきたのは……
ジャージ姿のどことなく真紅っぽいお人形。このなんとも言えずとも伝わってくる表情にローゼンオタクたちは画面の前で大はしゃぎ。
これにはドール大好きな美智ちゃんも「服が可愛くないの」とドストレートにお怒り。更に真紅っぽいヤツが「そこのお前。お茶を淹れなさい」と口を開くと、声優が田村ゆかりさん。どこまで00年代なんだこのアニメは。
沢城みゆきが呼べないからって、真紅のパロディキャラに田村ゆかりを起用するセンスが、00年代に捕らわれ過ぎていて本当にに良い
— に (@nyalra) January 21, 2019
そして、舞い散る黒色の羽と共に銀髪のドールも登場。これには美智ちゃんもキモオタ以上に大興奮……の筈が、
こっちもジャージでした。
ローゼンメイデンのドールたちにジャージを着せるセンス、本当に10年前のオタクの二次創作ですよ。僕だって当時からタイムスリップして好きなだけローゼンパロして良いと言われたら、絶対水銀燈にジャージ着せますもん。オタクが現代で忘れてしまった情熱がここにある。
ジャージ姿の水銀燈(っぽいヤツ)に対し「ダサい」と煽る真紅(っぽいヤツ)。激昂した水銀燈は「私はダサくない!!!」と襲い始めます。ジャージ姿の薔薇乙女がしょうもないことで喧嘩する様子、それこそ十数年前の二次創作で何度も見た光景です。
何故か始まる脈絡のない雑なドラゴンボールパロ。当時のMADアニメか。
真紅の髪色がブルーという最新のドラゴンボールを意識している謎の配慮がジワジワくる。
実際、真紅が水銀燈に最もダメージを与えた技はただのパンチなので、ローゼンメイデンでドラゴンボールのパロディをするの微妙に正しくはあるんですけど、それをローゼンと無関係のアニメでやっているので著しく脳が混乱する
— に (@nyalra) January 21, 2019
Bパートで矢継ぎ早にお出しされるどこかで見た場所に君は耐えられるか?
そして戦闘パートでの決め手は、なんとローゼンやドラゴンボールですらなく「高さ×重さ×スピードで3倍のパワーだにゃ!」とまさかのキン肉マンネタでフィニッシュ。自由すぎるだろ。
精一杯考えた結果、もしかすると戦闘しているヒロインの一人の武器がかぎ爪だったからの可能性が高いですが、自信はありません。
ぱすてるメモリーズ、他美少女アニメの中に勝手に入っていく設定のこの作品を簡単に説明するなら「無許可ディケイド」だなと思っていたのですが、今週のローゼンのパロに全く文脈のないドラゴンボールやキン肉マンを掛け合わせようとするセンスは、小麦ちゃんが一番近い気がしてきた
— に (@nyalra) January 21, 2019
3話の内容で確信したのですが、この唐突だが勢いのあるパロディ多めなアニメの楽しみ方、小麦ちゃんが最も近いですね。ここで冒頭での玉井豪先生が小麦ちゃんのスタッフだったという伏線回収。戦闘シーンでは脈絡なくジャンプ作品のパロを入れようというノリ、間違いなく00年代。
なんだかんだでこの絵面は良いですね。問題はローゼン全く関係のないアニメのカットなことくらいですが。あまり手放しでは褒められない緩い作画もアニメ版ローゼンっぽさがあって上手く噛み合ったと思います。
繰り返しになりますが、10年代もギリギリになって、00年代の残滓をこれでもかと詰め込んだ作品がソシャゲ原作アニメで登場したことを非情に嬉しく思います。ありがとうスタッフ、玉井豪先生。そしてぱすてるメモリーズ……。
色々思いを書き連ねてしまいましたが、一行で要約すると、
ぱすてるメモリーズ大好き!!!
という記事でした。スタッフが楽しんで製作している様子が伝わってくるのはとても良いことだと思います。
因みにEDが本編と絵柄や雰囲気が違い、物凄く気合が入っている上に物凄くえっちですので、視聴後の満足度が高いところも好きです。