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グリッドマン4話のアカネちゃんが如何に「自分なら彼女のことを誰よりもわかってあげられる」という、オタクの身勝手で柔らかい部分を刺激したか



SSSS.GRIDMAN

 オタクたちは2018年後半に入り、グリッドマンボンバーマンを性の対象とすることに夢中です。文章の意味がわからない方は、早急に下記のリンクから1話を視聴した後、ゲームセンターへ通って下さい。

 個人的には、グリッドマンボンバーマンを性的に見ていること以上に、ゾンビ同士がイチャついていると嬉しくなる方が異常事態な気がしますが。でも、ゾンビランドサガのキャラの掛け合い完璧なんですよね。脱線するので割愛しちゃいますが。

覚・醒

覚・醒

 

 

・新条アカネ

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 閑話休題グリッドマンのヒロインの一人に「新条アカネ」ちゃんなるキャラクターがいます。

 作中の描写から見て、登場人物で最も相貌(かお)が良いとされているのが彼女です。恐らく現在SNS上で最もえっちな画像が生産されている速度が早いのも彼女でしょう。目を覚ませ僕らのタイムラインが新条アカネのえっちな画像に侵略されてるぞ。

 そんな彼女の何がオタクたちを惹きつけるのか。まず第一の理由として、上記のキャプチャ画像からも分かる通り、アカネちゃんは世間での美少女的な扱いに反して引きこもりの特撮オタクです。細かく言えば怪獣オタク。その中でもソフビを収集するような子でして、こち亀で例えるなら両津もオタク仲間の扱いとして面倒臭がるレベル。

 簡潔に伝えるなら胸が異様にでかいオタク女な訳ですね。

 

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 胸のでかいオタク女なんかに絶対負けねえ! という覚悟も虚しく、彼女は更にオタクの柔らかい部分を攻めてきます。あろう事に3話でアカネちゃんは「デュアルモニターで虹裏のカタログを見ている」という本筋からは無意味な描写を披露。

 この無意味な描写は、視聴者のオタクに多大な意味を与え、敢えてSNSや5chでなく虹裏を好んで見ているとわかる事から、彼女の荒らし体質の面倒臭さに説得力が生まれました。これには、面倒臭い女が大好きなオタクたちはイチコロ。更には、画像掲示板に帰属意識を抱いたりしていたら致命傷。

 女子あきという概念がアニメ実況に使われるのを数年ぶりに見た気がします。今までふたばを利用しているシーンがあった作品の例として、「相棒」城下町のダンデライオンなどもありましたが、ここまではっきりヒロインが閲覧しているかつ、住民に混じって荒らし行為をしていると想像できるようなパターンは初でしょう。

 彼女の荒らし体質に拍車をかけるように、グリッドマン放送日に偶然ふたば全体がサーバーダウンする事件が発生。目を覚ませ僕らの匿名画像掲示板がアカネちゃんに侵略されてるぞ。

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 3話時点まででも、

・クラスでは高嶺の花な美少女扱いだが、どことなく陰を感じさせる印象。

・同級生たちや教師を斜に構えて見ており、自分の気に入らない人間を殺すことを厭わない性格。

・家ではゴミを部屋中に溜めるほどの引きこもりかつ、怪獣ソフビをまんだらけのソフビコーナー並の細かさで飾っている収集癖。

・インターネットにある程度詳しいことが保証されている描写。

・おっぱいがでかい

 と、並べるだけでオタクが絶頂しそうな要素が盛り沢山でしたが、ここで先日放送された4話は更にオタクの柔い恋心を悪戯に抉ってくるのです。

 

SSSS.GRIDMAN 4話「 疑・心

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 4話でのアカネちゃんは、グリッドマンの秘密を探るため、遂にもう一人のヒロインである六花ちゃんに大きく接触。昔は一緒に登校して仲良かったことなどを話しておきながら、隣でなく後ろに座るような距離感の見せ方に、関係性オタクたちは大盛りあがり。EDではいかにも百合的な雰囲気を漂わせてきている二人ですので、その足掛かりとしてバス内での会話や空気感は重要となるでしょう。

 現状、グリッドマンのヒントを引き出す道具としてしか六花ちゃんを見ていないアカネちゃんに対し、六花ちゃん側はアカネちゃんを気遣い昔のように話したい行動・言動が見られるのも100点。

 

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 流れで大学生YouTuberグループと合コンをすることに。カラフルな髪型の4人組であることや、企業案件に対する会話からのリアリティが非常に高いのですが、それは置いておきます。

 チャラい雰囲気に馴染めず、空気に徹しようとする六花ちゃんとアカネちゃん。しかし、彼女たちはあの世界でも顔が良すぎる設定ですので、大学生集団が見逃さない筈はありません。

 ここで乗り気でないなら、次のチャンスを作ろうとLINEグループを作成しようと申し出る男たち。そこでアカネちゃんのLINEアイコンも表示されるわけですが、

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彼女のアイコンはウルトラマンティガに登場するレギュラン星人です。としあきであった事実にはギリギリ耐えれても、ここでもう完全に敗北です。LINEアイコンがレギュラン星人の美少女……この世に存在します?

 正しくは、ウルトラマンダイナに登場した「ヅウォーカァ将軍」のカラーですね。

 アカネちゃん、絶対ティガの最終回を何度も繰り返し観ているでしょ。恐らくクトゥルフも好きでしょ。脚本家の小中千昭の本を買ってホラーを理解した気になったりするでしょ。とオタクの勝手な連想と押し付けが止まらなくなってしまう。そんなこと一生言及されないのでしょうが。

  全然関係ないですが、小中千昭「恐怖の作法」は、何故人が恐怖を抱くか解説している本当に素晴らしい一冊なので是非。

恐怖の作法: ホラー映画の技術

恐怖の作法: ホラー映画の技術

 

 

グリッドマン4話のアカネちゃんが如何に「自分なら彼女のことを誰よりもわかってあげられる」という、オタクの身勝手で柔らかい部分を刺激したか

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 レギュラン星人を見た大学生たちの反応は、あろうことか「懐かしい! バルタン星人じゃん! フォッフォッフォッ!」でした。ウルトラマンに対し門外漢の人間が、怪獣=バルタン星人と連想する分かりやすいパターンですね。

 あのアイコンから一発でウルトラ怪獣だと見抜いた上にバルタンの声を再現できるのは、わりとレベル高い方ではないか? と思ったりもしますが、当然アカネちゃんはここで完全に堪忍袋の緒が切れ不機嫌に。門限だと言い訳をしてカラオケボックスから退出しました。ここで大学生が「すげえ! レギュラン星人じゃん! しかもダイナ!」と答えていたら好感度が上がったかも知れません。

 ここでのやり取りがまたポイントでして、「なぜバルタン星人をアイコンにしているか」という問いに対して、アカネちゃんが「適当なんでわかんないっす」と笑って誤魔化すところがまた良い。オタクでない人間に対し説明の諦めをしつつ何故か若干下に見るという、オタクが日常生活で何度も味わうあの光景を美少女が行っている。涙。

 ゆるゆりのTシャツを着て「すげえ! ラブライブ!だろ」と言われて「ラブライブ!です」と答えるんです、アカネちゃんは。

 

  こんなに、こんなにも「ここに自分が居たら彼女を喜ばせることができたのに」とオタクの身勝手な妄想を、自分でも、いやオタクな自分だからこそ相手してもらえると勝手に思い込んでしまうヒロインが居ていいのか。

 どう考えても、そこでレギュラン星人の名前が出たとしてもアカネちゃんにキモがられるだけとは分かっているのに……。

 オタクがヒロインの属性として付与されている事も珍しくない昨今ですが、ヒロインたちからのふるい落としの一つとして、メジャーでないウルトラ怪獣を使われると、ここまでオタクは負けてしまうのか。

 

 六花ちゃんとアカネちゃんの間を邪魔したくない、けれどアカネちゃんなら自分と楽しく話せる気がする……。今や日本中のオタクがアカネちゃんとウルトラセブンに対しての解釈や帰ってきたウルトラマンの夕日の美しさを語り合いたいのです。

 つまりは、この記事は自分の敗北宣言で、もう円谷プロには足を向けて寝られない意思表示でした。

 

 人気アニメの扱いでオタクたちが揉めるのは日常茶飯事ですね。君も走り出せばヒーローになれるよ。