「12歳。~ちっちゃなムネのトキメキ~」に学ぶイマドキ小学生女子の本音
■12歳。~ちっちゃなムネのトキメキ~
皆さんはもう「12歳。~ちっちゃなムネのトキメキ~」を視聴したでしょうか?
「12歳。~ちっちゃなムネのトキメキ~」(以下「12歳。」)は、ちゃお連載の少女漫画が原作のアニメです。
大人でもない、子供でもない…。子供の小学6年生綾瀬花日と蒼井結衣の学校生活を中心に淡い恋愛模様、友情を描いたセンチメンタルストーリー。
「12歳。」は大人と子供の間で揺れる少女たちの恋を描いた作品です。この作品の特徴として「初潮や初めてのブラ」など、少女漫画では敢えて避けるようなイベントがテーマの話が多く登場します。
過去にもこういったデリケートな部分の話は、やぶうち優先生の「水色時代」や「ないしょのつぼみ」でも取り扱われました。「水色時代」でも1話は生理用ナプキンやブラジャーについて主人公が考える内容です。
水色時代では、男子が女子のスカートに血が付いているのを発見し、「怪我でもしてんのか」と親切心で指摘するのですが、周りの男子が「ばーか! 生理だよ生理!」と騒ぎ始めます。水色時代の男子たちは悪意があるわけではなく、小学生故に適切な対処法を知らないだけな優しい世界なのですが、「12歳。」は違います。
過去の性教育を扱う少女漫画との違いとして、「12歳。」のモブ男子たちは女子が体育を休むと、相手が泣いて逃げ出すまで「コイツ生理だ!」と徹底的に追い込みます。
最早デリカシーどころか人間の心を失っているように思えますが、「12歳。」世界でのモブ男子たちは、全員この程度のモラルしか持ち合わせていません。「12歳。」はそんな酒場で群がるならず者レベルのモブ男子たちと闘いながら恋をする少女たちの物語なのです。僕はそんな「12歳。」が今期で一番愉しみになりました。
■衝撃の1話
では、数多くの大きなお友達の度肝を抜いた「12歳。」の1話をレビューしていきましょう。
物語は女子達が「理想のキス」について話し合うところから始まります。
キスの経験のない女の子たちには曖昧な話しかでてこない中、主人公の花日ちゃんは「桜田くん(この世界の男性アイドル)と遊園地デートした帰りに、別れ際に腕を引っ張られてなんかこうカッコよく……」と突然昂奮して語りだします。
それに対しての女子の反応が「桜田くんってアイドルだよね……まず知り合うのが大変そう」と話振っておいて妙に冷めているというか、現実的な返しをしてくるのがジワジワきます。もし、この記事の読者に12歳の女の子とデートする予定の方がいるなら、遊園地デートの帰りに別れ際に腕を引っ張ってカッコよくキスしてみましょう。恐らく通報される事必至です。
花日ちゃんが一人で盛り上がっていると、突然横から男子の笑い声が。このクラス随一のイケメン「高尾くん」の登場。高尾くんは公式のキャラクター紹介でも「やさしくて面倒のいいクール男子。イケメンで女の子にモテモテ」と、メリット面しか語られていないくらいのイケメン男子です。
高尾くんは、たまに前髪で目が隠れてセガサターン時代のエロゲの主人公風になること以外、非の打ち所のない人間です。そもそも女子の会話を盗み聞きしてサッと混じってくる事自体、イケメンにしか許されない行為ですが。
そんな高尾くんに散々嗤われた花日ちゃんは「恋はしたいけど男子はデリカシーがないし……」と文句を垂れます。先述した通りこの世界の男子は、生理の女子を発見したら泣くまで追い込む程にデリカシーがないので、花日ちゃんの考えは正解です。関係ないですが「男子はデリカシーがない」というセリフは、後に紳士風のおじさんに寝取られる伏線っぽいですね。
話は廊下に移り、モブ男子たちが女子のスカートを捲る現場に。
この男子の非道な行いは女子から非難轟々。彼れは小学生なので仕方ない部分もありますが、高校生にもなって似たような事を繰り返している城之内の事を想うと涙が止まりませんね。
このモブ男子たちは人間の心を失っているので、花日ちゃんの友達である「ゆいちゃん」の注意を受けても、「あんまり煩いとお前のスカートを捲るぞ!」と脅し始めます。完全に同人誌の竿役状態。その後ゆいちゃんが諦めて退散した後も「こんど捲ってやろうぜ!」と言っているあたり末恐ろしい。
リコーダーのテストを高尾くんとペアですることになった花日ちゃん。それを見たクラスで一番男子に人気のここあちゃんは、トイレでリップクリームを塗りながら「空気読めよババア! 高尾くんとペアを組むのはここあしかいないでしょ!」と憤っています。ケンシロウからユリアを無理矢理手奪おうとしている時のシンを彷彿させます。
男子もかなりモラルが低いですが、女子の悪役担当であるここあちゃんは、高尾くんに気に入られている花日ちゃん相手に「高尾くんは花日ちゃんが隣の席でバカにし易いから構ってるだけ! 絶対に手を出さないでよね!」と牽制します。
そこで花日ちゃんはすかさず「男子に興味ないし」とそれを了承。それを聞いたここあちゃんは上機嫌でトイレから去っていきます。こう言う「男子に興味ないし」とか言う人間から恋人ができてくるんですよね。花日ちゃんは時折天然で典型的なクソ女発言をする事があります。
ここあちゃんの危機が去り、これでようやく一安心……と思ったのも束の間、今度はトイレから何やら深刻そうにお腹をおさえたゆいちゃんが出てきました。
取り敢えず保健室へ連れて行く花火ちゃん。保健室の先生から「生理はカラダが女の子になる準備を始めた嬉しい事なの。恥ずかしいことじゃないのよ」と諭され、生理用品を貰います。
しかし、父親に生理がきたことを報告するのは恥ずかしく、かと言ってこれから一人で生理用品を買いに行くのは怖いと話しだすゆいちゃん。
それを聞いた花日ちゃんはすかさず「……やろう!」と決意を固め「二人で……アレ、買いに行こう!」と申し出ます。生理用品を「アレ」と呼ぶのがリアルな12歳感あっていいですね。リアルな12歳感って捕まりそうなワードですが……。
その後ドラッグストアでどうにか生理用品を手にとった二人、しかし花日ちゃんはタイムセールのおばさんの波に呑まれ「わたしの屍を越えて行くんだ!」と、ゆいちゃんを送り出します。
紆余曲折あり、どうにか生理用品を無事購入できたゆいちゃん。それを見た花日ちゃんは「ゆいちゃんは大人の階段を登り始めたけどわたしはまだ……」と自分が生理をきていないことを悩みます。かわいい。
次の日、体育の授業中またしても生理痛に襲われたゆいちゃんは、クラスの男子にからかわれるのが嫌で生理休みを申し出ることができないまま、遂に倒れてしまいます。
「女子は男子にからかわれるのが怖くて体育を休めない」、男子視点では決してでなかった学びです。
女の子は体育休もうとすると、男子にからかわれないか不安で一杯なのか……。「12歳。」なんて勉強になるアニメなんだ……どんどん12歳の女の子の躰に詳しくなっちまうよ……
— 喜屋武にゃるら (@nyalra) 2016年4月4日
しかし、この世界のモブ男子たちは女子が倒れたくらいでは一向に怯みません。
「生理だってよ~! 心配して損した! バリアしようぜ感染るから!」と、好き勝手言い放題。再三繰り返しますが、この世界ではイケメン以外の男子は、全員このレベルの知能とモラルしかありません。
またしても保健室に運ばれてしまったゆいちゃん。そこにモブ男子たちが謝りにやってくるのですが、それを見た花日ちゃんは「あなた達! 何しにきたのよ! また何かあるの!」と、まるで村を襲いにきたオーク軍団を見たエルフかのような拒絶ぶり。
どうにか誤解をといて「生理がそんな痛いなんてわからなかった……」謝る男子たち。「謝罪」を書いた紙を用意している時点であまり反省していなさそうですが、こいつらは別の話で花日ちゃんに初潮がきていない事を茶化すので、本当に反省していません。
そんなこんなで生理事件は無事解決するのですが、次はリコーダーのテストの時間に。
なんとここあちゃん、自分が誰より目立つためクラスの女子全員に「わざと下手くそに吹いてペアの男子の足をひっぱれ」と命令して回ります。
しかし、折角高尾くんと必死に練習してきた時間を無駄にしたくない花日ちゃん。ここあちゃんの策略には乗らずに、二人で見事な演奏を披露。
その所為でクラスの女子がわざと下手くそに吹いていた事が男子たちにバレるのですが……。
ここで引かないのがここあちゃん。今度は「花日ちゃんが皆下手くそに吹けと命令した!」と嘘泣きを始め、責任の対象をズラす作戦を決行。このクラスの男子とここあちゃんは、一度更生施設へ入れてみた方が世のためになる気がします。
クラスのバカ男子たちは少しも疑わず花日ちゃんを非難。
その様子をみた高尾くんが颯爽と花火ちゃんを庇いますが、それを見た男子たちは方向性を変えて「いちゃついてるぞ! キスしろ!」コールへ。集団心理の恐ろしさを感じます。
ここで有り触れたイケメンキャラなら「やめろよ!」程度で収めるでしょうが、高尾くんは一味違う。なんと荒ぶるクラスの男子たちを「もうしたから手を出すな!」と一喝。そんな宣言されたら誰だって黙るしかありません。かっこよすぎます。
そして二人は1話にしてクラスの公認カップルに。通常のアニメならこれでけで1クール使い切りそうな内容です。
因みに2話でブラ。3話でダブルデートと発展していくのですが、余りに展開が早すぎてTwitterの実況民達は、この速度で話が進むとたぬきそふと以上の展開に突入するのでは……と焦り出す始末。
「12歳。」1話で初潮で、2話で初ブラジャー、3話でダブルデートって展開が早すぎるし、この速度のまま進むなら1クール終わる頃には、妊娠母乳セックスレベルまでいくのでは……
— 喜屋武にゃるら (@nyalra) 2016年4月18日
■オマケ
・12歳。から学んでいく女子の本音
女の子が多めにリップクリーム塗っていたらキスの準備ってマジか……また「12歳。」に繊細な女の子たちの本音を教えてもらっちまったな……
— 喜屋武にゃるら (@nyalra) 2016年5月16日
多めのリップクリームはキス準備の証。よくよく考えると男子視点ではリップクリームが多めか少なめかなんて判断つかないので、知っても仕方ない知識ですね。
初めてブラを友達と買いに行った感想が「すっごく女の子になった気分」って性的過ぎませんか!? 僕たちも早く12歳の女の子にTSした後、皆んなで下着売り場で「女の子になった気分」味わうしかないですよ……
— 喜屋武にゃるら (@nyalra) 2016年4月11日
「すっごく女の子になった気分」良いセリフです。
小学生の女の子は彼氏に自分がまだ初潮がきていない事が知られると恥ずかしがるのか……えっちなゲームやLOには「生理きてなきから沢山膣内射精できるよ、お兄ちゃん♡」とか言い出す女の子しか居ないから知らなかった……やっぱり「12歳。」は勉強になるな……
— 喜屋武にゃるら (@nyalra) 2016年5月30日
もし12歳。の同人誌が登場した場合、花火ちゃんもわりと言いそうですけどね。
・最近のちゃお
今のちゃおは凄いです。「12歳。」は勿論、「アイカツスターズ!」のコミカライズや、「プリパラ」「妖怪ウォッチ」まで連載されています。もう女児が好きそうな作品全て牛耳っています。つまり大きなお友達も大満足の内容という訳。
更に意外なところで、付録に「おそ松さん6つ子の香りつきシール」なんてアイテムまで。これで早い段階であっち方面に目覚めた女児も狙い撃ちできます。
そんなちゃおの中でもお気に入りは、現役小学生デビューという噂の青空チロル先生連載「恋する❤魔界警察」。
話を進めるのに無駄な要素を全て削ぎ落としたテンポ感は他の追随を許しません。これは若い作家にしかできないフレッシュなエネルギーを感じますね。
勝手に刑罰まで決定しちゃうお茶目な魔界警察。
青空チロル先生の活躍に期待大です。
■最後に
「12歳。」を始めとする女児が対象の作品は進化し続けています。僕が12歳の頃はまだまだガキだった事を鑑みるに、矢張り女の子たちの方が男子なんかより何倍も早く大人になるようですね。どうでもいいですけど、僕が一番好きなキャラはここあちゃんです。
因みにアニメの前に発売されたOAD版では、花日ちゃんが既に生理がきているとか、パンツが見えるとかどうとか……。
どうやら原作の方では花火ちゃんたちの関係が、どんどん発展したり三角関係で歪になったりと、アニメ版より過激になっているそうです。今後も「12歳。」の女の子たちの恋愛模様から目が離せません。掛け値無しに今期オススメアニメです。