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観る度にIQが溶けていくアニメ「けものフレンズ」はこんなにたのしー!



けものフレンズとは

 先日、こちらの記事を読みました。

 骨しゃぶりさんならではの壮大な解釈は、はてなちほーの人たちにも「けものフレンズ」の名を轟かせたのではないでしょうか?

 現在ついったーちほーでは、「けものフレンズ」に対しこう言ったシリアスな考察を行う「けものフレンズ考察部」なるタグが流行しています。

 詳しくは後述しますが「けものフレンズ」では緩い作風の中に、どことなく裏のある演出が度々挿入され、考察勢には堪らない作品となっています。勿論、そう言った深読みする楽しみ方も今作の魅力ですが、今記事では逆にけものフレンズ」を観るとどれだけ脳細胞が溶けていくのかという視点で見ていこうと思います。

 実際、骨しゃぶりさんの記事を読んだ時にも、既にけものフレンズに脳をヤラれていたので、当初の感想としては「あたまいいー! たのしー!」しか出てきませんでした。因みに、改めて正常な感性で読んだ感想は「すごーい!」です。けものフレンズを長く摂取し続けると、語彙が「すごーい!」「たのしー!」「たべないよ!」の3つで構成されるようになります。

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  さて、けものフレンズとはなんなのかと説明しますと、元はスマートフォン向けソーシャルゲームです。つまり、けものフレンズは一応ソシャゲアニメという区分ができますが、哀しいことにアニメの放送一ヶ月前にソシャゲのサービスは終了しました。この時点で、けものフレンズが只者ではないアニメである事が伝わると思われます。

 キャッチフレーズは「あなたは、けものがお好きですか?!」。「!?」でなく「?!」なのがマガジンのヤンキー漫画っぽいです。因みに同じ動物ゲーであるリンダキューブアゲインのキャッチフレーズは「彼女の中の100のケダモノ」です。

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 ソシャゲ時代の主なコラボ先に攻殻機動隊などがあります。驚くほど世界観が別ですね。アニメ化前にサービス終了した作品に鬼斬などもあります。そちらは、また別のサービスが開始されたので宣伝の意味はありましたが。

 

けものフレンズ#1 「さばんなちほー」

 それでは、けものフレンズがどれだけIQが下がっていくのか、1話の内容を紹介していきます。

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 平和な昼下がりのさばんなちほー。自然あふれる背景とのどかなBGMが小気味良い。お気づきでしょうか、よく観察するとサーバルちゃんが寝ていますね。真昼から堂々と眠っていられるのは、フレンズと無職の特権。

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 サーバルちゃん。早速、野生の勘で獲物を見つめます。野生動物なので寝ていても油断はしません。ここで無職との差がでましたね。この何とも言えないモデリングが、最初に視聴者を不安にさせる要素です。次に不思議な味がある棒読み。初心者はまずここでふるいにかけること必死。

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 スッと飛び上がり、獲物を捉えるサーバルちゃん。「かりごっこだねー」「そこだー」の気の抜けたボイスが、いい感じに脳に響きます。慣れてくると、このサーバルちゃんの印象的な声を聴かないと禁断症状に襲われます。

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 因みに提供もこのシーン。角川とブシロードが百合シーンの大ファンである事実が読み取れると思います。

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 ヒロインの女の子が必死に「たべないで下さい!」と訴えかけます。いくら見た目が女の子とは言え、誰だってサーバルに襲われるのは恐怖です。ここでサーバルちゃん、集中線付きで「たべないよ!」と否定。このやり取りをオチとして場面が切り替わるので、恐らくここまで追跡してきたサーバルが、獲物を捕まえたのに特に食べる訳でもない事がギャグ扱いなのでしょう。

 このやり取りの後、一旦落ち着いた二人。サーバルちゃんの「あなた、かりごっこあまり好きじゃないケモノなんだね?」というセリフから、この世界の生物は基本かりごっこを好む事と、生物が存在すると人型でもケモノとして認識されている事が分かります。この辺は、恐らく終盤に向かうに連れて段々と明かされる重い設定であると思われますが、面倒なので「すごーい!」という理解で十分です。サーバルちゃんもその程度にしか捉えていません。

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 この女の子が一体なにをモチーフにしたケモノなのか調べますが、角も無ければ羽根もないため検討つきません。仕方なく唯一の特徴であるカバンから名を取り、「カバンちゃん」と名付けられ、こういった場合お約束的に一度嫌がりそうなモノですが、カバンちゃんは「ありがとうございます」と感謝の意を示します。名前なんてどうでもいいという寄生獣的な主義なのかも知れません。

 そこでサーバルちゃんは、カバンちゃんがどういった存在なのか調べるため、図書館に向かう事を提案します。これまで色々と本作を理解しようとしていた視聴者たちも、この世界観で図書館が存在する事実に、大抵なにもかもどうでも良くなってくるでしょう。

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 図書館を目指して旅をする二人。ここで突然スライム型の生物が登場し、「フレンズですか?」とカバンちゃんが近づきますが、サーバルちゃんの「ダメ! それはセルリアンだよ!」という注意を合図に、襲いかかり始めます。

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 更に世界観が分からなくなりましたが、どうやら雑魚だったようで、サーバルちゃんに容易に粉砕されます。セルリアンが何なのか説明されないので、ソシャゲをプレイしていない視聴者には、本当に何がなんだか分かりません。更に先述した通りソシャゲの方はサービス終了しているため確かめようもない。セルリアンとはそういった存在だと割り切るしかないでしょう。

 ここまで来ると、独特のモデリングや棒読みにも慣れ、突然の異生物襲来も乗り越えたので、流石にもう驚くことはないと油断するところですが……

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 アイキャッチ実写パートが始まります。

  更に一般人であるしんざきおにいさん(とうきょう)の解説付き。勿論、声優でもないためサーバルはですねぇ……基本的にはアフリカの……サバンナと言われる、地域にすごして、いまして……若干あ~草が生えているところなので……」とたどたどしく説明してくれます。この実写パートですが2話では2度あります。プロの飼育員たちによる妙にリアルな喋りの解説を味わいましょう。

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 図書館への旅を続ける二人。木登りする前に地面へ置いたカバンが、登り終えると何故か背負われていたりしますが、もうそんな細かいことどうでもいいでしょう。

 途中お嬢様のカバ型のフレンズが登場し、「あっカバ!」と直接的に呼びかけるシーンがあり、「セルリアンにあったら基本逃げるんですのよ。どうしても闘う時は石を狙いなさいね」と謎のアドバイスを受けます。ここで視聴者の誰もが石ってなに……と困惑。更に、この辺りのシーンは減光処理されているのか妙に画面が暗いのもポイント。

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 更に進むと地図が設置された掲示があり、カバンちゃんが地図を手に入れるのですが、ここでサーバルちゃんが地図を取れないという、獣と人間の差が演出がされています。

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 歩いている内に巨大なセルリアンが登場。まさかのボス戦です。

 カービィのボスにいがちなセルリアンは、その巨大な体躯から見て取れる通りの強キャラらしく、これにはサーバルちゃんも悪戦苦闘。ここで背中に石がくっついている事を発見し、あのアドバイスの石がまんま石であった事が発覚。カバンちゃんの策により上手く弱点を突いて撃退します。

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 その後、一旦お別れするのですが、またしても「食べないでください~」「たべないよ!」の天丼ギャグを経て合流。大体一話はこのような内容で、ここまで読んでくれた読者のIQもいい感じに溶け始めたと思います。

 

恐怖の2話

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 さて、余りに濃かった1話を越えた2話はどうかと言いますと、更にIQを下げてきます。その大きな原因がこのコツメカワウソちゃん。作中の何も考えていないフレンズの中でも、輪をかけて何も考えていないのが彼女です。

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 コツメカワウソちゃん、一人で「わーい! たのしー!」と叫びながら、ジャングルの中で滑り台を延々と繰り返しています。あまりに中身の無い映像に、ここまでギリギリ保った視聴者の脳も溶解し、「すごーい! たのしそー!」としか声が出なくなるでしょう。

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  2話からはEDが流れるのですが、これまた何故か廃墟のような遊園地を延々映し出すホラー映像。当初の考察班の推測では、チェルノブイリの遊園地ではないかと思われましたが、どうやらペルボウラリスクにある破棄された観覧車のよう。

  どちらにしろ訳がわからない映像な事にかわりはなく、朗らかな本編とのギャップに闇は深まるばかりです。3話以降で明かされるのか、はたまたスタッフは何も考えていないのか……。今後の展開に期待しましょう。

 

すごーい!

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 色々と話題のけものフレンズですが、基本的にはのんびりとしたアニメです。一応、退廃的な世界観や、一度人間の手が加えられた跡のある各所から、ソーシャルゲームを暗喩しているのではないかという考えも脳裏をよぎりましたが、そんなメタ的な視点は、今を生きるフレンズたちには関係ないこと。

 答えはソーシャルゲームの方にあるのかも知れませんが、何度も書いたとおりサービスは終了しています。だからこそ、こういった自由な作風が出来上がったのかも知れません。

 余談ですが、似たように原作要素の薄いソシャゲでは戦国コレクションをお勧めします。けものフレンズと同じく、のんびりとした良いアニメです。北米版なら安価なので是非。

SENGOKU COLLECTION (LITEBOX)

SENGOKU COLLECTION (LITEBOX)

 

 

 けものフレンズはその話題性故に、いんたーねっとちほーではけものフレンズ以外認めん!」と主張する過激派が登場したりします。それはとってもかなしー! ことです。

 せっかくついったちほーや、こうしてはてなちほーでも記事を書く人たちがいるのですから、みんなでゆったりジャパリパークを満喫したほうが、ぜったいたのしーです!

 とりあえず、アニメだけではものたりなくなったフレンズは、コミカライズのほうでサーバルちゃんたちのくらしをのぞいてみましょう!