エロゲ原作アニメの歴史 99~17年
先日、ねとらぼで記事を書きました。
現在放送中のアニメ「ノラと皇女と野良猫ハート」のHARUKAZEさんへのインタビューです。解説は面倒なので各自リンク先を参照ください。
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要点だけ抜き出すと「美少女ゲームはまだまだ終わらねえ!!」という話をHARUKAZEさんの実績から語ってくださり、「全額出資の上でシナリオライターが全話脚本を務めるショートアニメ」という美少女ゲーム原作アニメの新しい形を示してくれました。
steamでの海外進出をメインに置いたり、初めから全年齢版のみに絞り健全な方向性を展開したりなど、美少女ゲーム自体も新たなあり方を見出してきた昨今ですが、今回はテレビで放送されたエロゲ原作アニメの18年間の歴史を遡っていきましょう。
今回は18禁作品やOVAを含めず、地上波で放送されたエロゲ原作の作品を並べていきます。
参考:エロゲが原作のアニメ作品の一覧とは (エロゲガゲンサクノアニメサクヒンノイチランとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
1999年 2本
・ ToHeart
・下級生
さて、初めてエロゲ原作アニメとして放送された歴史的な作品が「ToHeart」な訳ですが、ねとらぼの方で記載した通り正確には「同級生2」が先にR指定OVAを編集した内容を深夜枠で流していたりします。
ともあれアダルト要素抜きかつ1クール作品として、この年に放映された作品は「ToHeart」と「下級生」の2作品。どちらもエロゲの歴史を語る上で欠かすことのできない名作です。下級生はテレビ版以前に15禁版OVAが存在し、そちらも「同級生2」の後番組として一部カットされた映像が放送されました。下級生では他にもVHSやDVD化の際にサービスカットを追加するなど、時代の先を読んだ商法を確立。
※追記
「同級生2」と同時期に、元はOVAとして製作されていた「Night Walker -真夜中の探偵- 」が放送。メディアミックス作品という立ち位置なので本記事では省きましたが、こちらが初のエロゲ原作アニメになります。
構成としては過去記事にも書きましたが、メインヒロインのあかりを中心に進めつつ他ヒロインとの日常を描き切ったToHeartが元祖ながら見事。宮内レミィのみメイン回を用意されなかったのは残念ですが。
2000年 0本
カクテルソフトから「With You~みつめていたい~」のOVAが発売されたものの、テレビ放送では0本。エロゲ原作アニメ初放送以降、唯一なにも放送されなかった年です。2000年問題より自分の夢は嘘だったのでしょうか。
2001年 1本
ToHeartに引き続きLeafから「こみっくパーティー」がアニメ化。パロディとしてあかりやマルチなどが登場。ToHeart同様、お色気シーンがほぼ皆無。更に絵柄の違いなどにより、後に原作に近いOVA版が発売されたりします。
追加キャラであるすばるの活躍が見たければOVA版を、同人誌製作に懸けた熱いストーリーを感じたいならテレビ版をオススメします。ぱぎゅー。
みつみ美里・甘露樹 判別検定初級の問題です pic.twitter.com/Usm7ZlCjLr
— に (@nyalra) 2017年5月26日
2002年 1本
独特のアゴで評判の東映版KANONが放送。作画に関しては回によっての落差があるので一概には言えないのですが、どちらかと言えば1クールに圧縮されてしまったストーリーに評価が分かれます。余裕を持って2クール用意し、全ヒロインのシナリオを拾いきった京アニ版の采配が光る。やはりエロゲ原作アニメの一番の問題は尺なのでしょうか。
家にメガミマガジンあたりに付属したポスターがあってので、試しに貼ってみたところ「なんでこの子中指立てているの?」と言われてしまった。でもKanonのヒロインで一番中指立てそうなのは真琴なので合ってなくはない気がしますね。
この年は他にも「Pia♥キャロットへようこそ!! 劇場版〜さやかの恋物語〜」が初のエロゲ原作アニメ劇場版化という話題性はあったものの、こちらも作画などの問題からあまり良い評価は得られませんでした。あと堀江由衣の表記が誤記されていたり。
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2003年 7本
・らいむいろ戦奇譚
・D.C. ~ダ・カーポ~
・グリーングリーン
・ぽぽたん
・ヤミと帽子と本の旅人
・君が望む永遠
・真月譚月姫
段々とエロゲ全盛期に近づき始め、放送作品数も一気に7作に。更にこの年はOVAも「みずいろ」「モエかん」「とらいあんぐるハート」と粒揃い。様々なメーカーが台頭してきました。
美少女ゲームとの関連が深い桃井はるこさんが、「ぽぽたん」や小麦ちゃんで大活躍中。登場キャラの名前が「あい」「まい」「みい」と言えば、未だにぽぽたんを連想する老人も居るでしょう。いや、居ないかな……。
今まで自重されてきたものの矢張りエロゲ原作だけにお色気が重視され始め、「グリーングリーン」ではOPでヒロインたちの全裸が次々と映しだされたり、「ヤミと帽子と本の旅人」にて能登麻美子さん演じるヒロインに自慰シーンが用意されたりなど、過激な方面でも注目されます。百合要素もふんだんに取り入れていたヤミ帽の印象は強い。
シナリオ面では、「君が望む永遠」がアージュ側の意向で水月エンドとなっており、一番のメイン格である遙以外のルートを辿る挑戦的な構成に。例の衝撃シーンは2話のラストで再現されています。余談ですが「らいむいろ戦奇譚」は、コミカライズをいとうえい先生が担当していました。絵柄が若い。
2004年 4本
・月は東に日は西に ~Operation Sanctuary~
・Wind -a breath of heart-
・下級生2 ~瞳の中の少女たち~
・ToHeart ~Remember my Memories~
多少本数が減って4本へ。オーガストから「月は東に日は西に」(以下はにはに)がアニメ化。アニメ魂の15分枠として、前半がはにはに、後半をWindが放送されました。
はにはにの珍しい点として、テレビ版ではメインヒロインでない保奈美ルートを、DVD版では追加でメインヒロインである美琴ルートを描くという、珍しい構成に。ファンに向けてアニメもマルチエンドにしたのは大胆。FORTUNE ARTERIALのアニメで、度々モブではにはになど過去作のヒロインを映してくれたのは嬉しい。
原作のOPが新海誠で有名な「Wind -a breath of heart-」は、OVA版とテレビ版が同時に製作されるという珍しい体制に。アニメ版のOPは新海誠さんではありませんでした。新海誠さんといえば、未だにWindの「Dream」の印象が残っています。
「ToHeart ~Remember my Memories~」は、主題歌のゴリ押し具合や不自然なお色気要素などが強まり、人気キャラのマルチをシナリオの中心にしたりと、個人的にはあまり良い印象がないです。ただ事あるたびに本編で流れる主題歌「大好きだよ」は珠玉の名曲。
下級生2アニメの虚無具合も中々なので、是非バンダイチャンネルなどで一話に挑戦して欲しいです。18禁版は良いものでした。
2005年 9本
・まじかるカナン
・らいむいろ流奇譚 X CROSS ~恋、教ヘテクダサイ。~
・AIR
・好きなものは好きだからしょうがない!!
・IZUMO-猛き剣の閃記-
・こみっくパーティーRevolution
・SHUFFLE!
・Canvas2~虹色のスケッチ~
・ラムネ
9本。凄いですね。AIRは劇場版まで製作され、京アニとKeyの躍進へ繋がりました。「好きなものは好きだからしょうがない!!」は18禁BL作品が原作。当時、平然とキッズステーションで放送されおり何がキッズなのか理解不能でした。
アニメ魂枠で「まじかるカナン」やOVA版を再編集した「こみっくパーティー Revolution」が放送。「Canvas2」は全媒体でコミカライズ版が好きです。
この年を語る上で絶対に外せないのは空鍋こと「SHUFFLE!」。ヒロインの一人をオリジナル展開で精神を病ませるという大胆な改変に賛否両論。料理が得意なヒロイン・楓が、虚ろな目で空の鍋をかき回すシーンはファンに強い衝撃を与え、コアなファンを生み出しヤンデレオンリーイベントでは空の鍋が象徴として飾られました。
後年の「Gift ~ギフト~」でもヒロインの精神が崩壊させられてしまうのですが、Gift ~ギフト~のシリーズ構成もSHUFFLE!と同じく鈴木雅詞さんです。
OPテーマ「YOU」は必聴。
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2006年 11本
・Fate/stay night
・うたわれるもの
・学園ヘヴン BOY'S LOVE HYPER!
・Soul Link
・機神咆吼デモンベイン
・つよきす Cool×Sweet
・夜明け前より瑠璃色な Crescent Love
・はぴねす!
・Gift ~eternal rainbow~
・Kanon (京都アニメーション版)
・乙女はお姉さまに恋してる
桁が上がって11本。最も放送作品が多い全盛期到来。それに伴いアニメ「つよきす」「デモンベイン」「夜明け前より瑠璃色な」など、色々な意味での話題作も登場。中でも「うたわれるもの」は特に評価が高い作品で、ラジオやコンシューマ版なども盛況。アニメの方から入ったファンも多いでしょう。個人的には最終回挿入歌「キミガタメ」の音量が大きすぎて、エルルゥが何言っているかわからなかった想い出が印象強いです。
「つよきす Cool×Sweet」では声優や主人公が変更され、展開やキャラデザも原作からかけ離れるなどファンからは不評な要素が多く、エロゲを原作にする上での難しさを痛感させられます。しかし、原作の売りでもあったヒロイン同士の掛け合いなどは健在。食わず嫌いせずに観て欲しい作品ではあります。
キャベツやどどんまいなど、当時の深夜アニメ全体の作画の不安定さ故の悲劇を呼び起こした「夜明け前より瑠璃色な」。そのインパクトは今でも語り継がれ、アニメーターの中ではキャベツの作画は基準の一つとなり、アニメ「ハッカドール」では「キャベツ検定」なる曲まで生み出されました。
エロゲとエロゲ原作アニメの全盛期。良くも悪くもエロゲが話題になっていたあの頃が恋しいファンもが多いでしょう。因みに「はぴねす!」OVA「渡良瀬準の華麗なる一日 」が好きです。
2007年 8本
・SHUFFLE! MEMORIES
・桃華月憚
・この青空に約束を― ~ようこそつぐみ寮へ~
・ななついろ★ドロップス
・School Days
・最終試験くじら
・D.C.II ~ダ・カーポII~
・ef - a tale of memories.
・PRISM ARK
・AYAKASHI
流石に昨年から本数が減少したものの、それでも8本放送されています。この年で最も話題になった作品は、なんといっても「School Days」。空鍋の話題と相まって、エロゲ原作アニメ=ヤンデレの印象を残します。
因みに近年発売された野球拳ゲーム「ストリップバトルデイズ」では、成長した言葉の妹・心が「誠亡き後の姉妹のその後を語り始める」という触れ込みで登場。姉の恋人に孕ませられたという重い過去を選りに選って野球拳で語り始めます。
「桃華月憚」では、意欲的な試みとして最終回から逆に放送という特殊な形態をとり、後に逆から始めるアニメがあらわれても桃華月憚の真似になると監督は語りますが、逆から流した故の意味やトリックなどは特になく只々見づらい印象を与えました。お色気要素も多くヤミ帽のキャラが多く出演するコラボ回などもあり、ファン的には嬉しかったり。
「最終試験くじら」は、ニコニコ動画などで5分アニメとして配信されるという、現アニメ環境の先駆者的な立ち位置の作品に。問題としてはアクセス過多で視聴できない事件があったりしましたが。エロゲ原作5分アニメの意志は現在でも受け継がれています。
「PRISM ARK」のOPが、アニメも原作もお気に入りです。ぱじゃまソフトいいよね……。
2008年 6本
・H2O~FOOTPRINTS IN THE SAND~
・君が主で執事が俺で
・D.C.IIS.S. ~ダ・カーポII セカンドシーズン~
・恋姫†無双
・あかね色に染まる坂
・ef - a tale of melodies.
「D.C.IIS.S. ~ダ・カーポII セカンドシーズン~」では、ヒロインの出番の差が顕著で一部で議論を呼びましたが、この頃までダ・カーポについてきている時点で選ばれし戦士ですので、そんな凄く荒れたとかでなかった印象があります。
「H2O~FOOTPRINTS IN THE SAND~」は、最終回での精霊会議なるご都合主義設定が話題になり、暫く都合の良すぎる超展開を「精霊会議」と呼ぶ文化ができました。1クールで長い原作を纏める故の難しさが読み取れます。
シャフト製作の「ef」はOPの特殊な演出の数々が注目され、最終回に近づくに連れてOP内での色や歌詞などの変化など、考察面でも盛り上がりました。エロゲ原作アニメでは珍しくメーカーのminori側から持ちかけたアニメ企画だけはあり、原作ファンも新規ファンも納得の作品としてヒットを呼びます。
後に続編もアニメ化される「恋姫†無双」のED「やっぱり世界はあたし☆れじぇんど!!」が、主に僕と電波ソングファンから長く語り継がれます。
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2009年 7本
・WHITE ALBUM
・Phantom ~Requiem for the Phantom~
・タユタマ -Kiss on my Deity-
・プリンセスラバー!
・真・恋姫†無双
・11eyes
・ティアーズ・トゥ・ティアラ
前年に引き続き恋姫†夢想がアニメ化。翌年にまたがり放送されたため、エロゲオタクたちは3年間に渡り恋姫†夢想のアニメに付き合う形になりました。今年も新作が発売された恋姫、なんだかんだで思い入れ深い作品の一つです。最近の作品では「曹操周りは異常なレズだらけでも問題ない」と判断されたのかレズキャラが多めで喜ばしい限り。
この年は「WHITE ALBUM」や「Phantom」など、当時から10年近く前の作品がリメイクとアニメ化をされるなど、エロゲオタクたちの話題を呼びました。アニメ版「Phantom」は最終回にバッドエンドを仕込み、原作ファンからの評価が分かれました。
因みに「WHITE ALBUM」関連曲では、アニメ版OPに使われた水樹奈々「深愛」が、登場人物たちの複雑な関係性を上手く詞に落とし込んでいて好きです。作詞も水樹奈々さんなんですね、凄い。
他には「11eyes」は個性強めな中二病設定の主人公の性格や設定も相まり、選ばれたエロゲオタクのみが視聴に残っていく雰囲気が好きでした。「タユタマ」の監督元永慶太郎さんは、「School Days」「あかね色に染まる坂」から三年連続でエロゲ原作アニメを担当。性的なシーンへの修正が厳しかった「プリンセスラバー!」では、10話のネット配信のみ手違いで未修正版が流れるなど、正にえっちなハプニングが印象強いです。
2010年 6本
・真・恋姫†無双
・祝福のカンパネラ
・ヨスガノソラ
・FORTUNE ARTERIAL 赤い約束
・咎狗の血
・Fate/stay night Unlimited Blade Works (映画・スタジオディーン版)
放送休止にまでなった「School Days」以降、エロゲ原作アニメの話題は一旦落ち着いたものの、この年に放送された「ヨスガノソラ」で盛り返します。「青少年保護育成条例」改正でネット上で議論されている最中に、ヒロインと主人公による近親相姦シーンが放送。色々な意味で一線越えた作風が注目を集めました。
そんなこんなで人気ヒロインになった穹ちゃんは今でも多くのフィギュアが作られ、更にそのどれもクオリティが高いという愛された存在になりました。原作で他ヒロインを攻略するとちょっとウザったいくらい嫉妬するのも可愛らしいポイント。
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E-moteの導入に積極的なういんどみる原作「祝福のカンパネラ」では、映像特典が3Dで描かれたヒロインのお風呂シーンを覗くという、欲望への忠実さで魅せてきました。技術と持ち味を活かしてきましたね。
2011年 4本
・星空へ架かる橋
・俺たちに翼はない
・真剣で私に恋しなさい!!
・ましろ色シンフォニー
段々と本数が落ち着き始め、この年は4本。中でも原作の構成や作風上アニメ化が難しい「俺たちに翼はない」では、大胆な構成の入れ替えや原作以上に過激になった下ネタなどで原作ファンには納得の出来に。特に原作ライターである王雀孫脚本の7話は必見。ぶっちゃけ王雀孫は神。
メインヒロイン以外のルートを辿った「ましろ色シンフォニー」も、思わぬ展開が続き話題になりました。ED「水彩キャンディー」の色調なども印象強いのですが、曲方面では何と言っても最終回挿入歌「さよなら君の声」が素晴らしい。おれつばといい、ましろ色といい、美郷あきさんの底力を実感させられます。
2012年 1本
1年に1・2本の時代へ。これくらいの方が追いやすいではあり、寧ろ10本近く放送されていた時期のほうが間違いともとれます。
僕は「恋と選挙とチョコレート」を通して、甘いだけじゃ恋は前に進まないことを学んだ恋愛強者なんだが?
— に (@nyalra) 2017年7月21日
2013年 2本
・WHITE ALBUM2
・ワルキューレロマンツェ ~少女騎士物語~
話題作「WHITE ALBUM2」は高校時代編を描き切るも、残念ながら続編が今のところ音沙汰無しです。
無難に作られたWHITE ALBUM2から打って変わり、ヒロインたちのエピソードを織り交ぜつつオリジナルのギャグやお色気で調理した名作「ワルキューレロマンツェ」が一部で大人気に。
特にヒロインが自ら石化したり、下着が風車に巻き込まれたりする7話は、全てが突き抜けていて語り継がれるべき名エピソード。こういった回でふざけつつも最終回は熱く盛り上げてきたりなど、エロゲ原作アニメの在り方として満点な作品です。
2014年 5本
・DRAMAticalMurder
・グリザイアの果実
・大図書館の羊飼い
・失われた未来を求めて
・Fate/stay night [Unlimited Blade Works] (テレビアニメ・ufotable版)
確変が起きてこの年だけ本数が盛り返します。
「失われた未来を求めて」では、作画ミスでヒロインがあたかも早着替えするようなシーンが話題に。作風が作風だけに伏線だと思われかねないのもポイント。また放送中に原作の在庫がないため値段が高騰するなど珍しい現象も起きました。
2015年 1本
グリザイアの天下に。「グリザイアの迷宮」も合わせ三作品が続けてアニメ化。天衝監督は後にRewriteの監督も務めます。放送中に1万本以上のリピートがくるなど、美少女ゲーム界に新たな風を呼びました。睡眠の重要性が話題に。
2016年 2本
「ワガママハイスペック」は5分のショート枠アニメ。原作の内容に沿わず(そもそも主人公を排している)ヒロインたちの掛け合いをお色気やシュールギャグを中心に描き、正にハイテンションな作品に。番組最後にはミニコーナー「なんとなくわかるワガハイ」を通して設定を紹介し販促を行うなど、新たな宣伝方法を行っています。
更にBDなどをエロゲコーナーに置くことにより、売上も上々。ただオリコンランキングに載らない販売方法なので数字が出にくいのが難点ですが。
個人的には、このテンション高めかつ短く纏まったアニメ化は大歓迎です。
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現在
という訳で話が現在に戻りますと、長年議論されていくアニメでのルート選択やオリジナル要素問題など、容量が多い上に分岐もあるエロゲを原作にしてアニメにする難しさが伝わってくると思います。
段々と本数は減り始めたものの、それに伴い今までにない構成や枠の作品も増え始め、これからどうなっていくのか愉しみですね。冒頭のHARUKAZEさんへのインタビューでも、そんな感じの葛藤などが色々と話されています。読んで下さい。
それを受けてどんどん変わっていくエロゲ原作アニメや美少女ゲーム全体の在り方を、これからも追っていきましょう。