MENU

セガサターンの名作ギャルゲーたちの話



エロゲー文化研究概論

f:id:nyalra:20170501210331j:plain

 先月、宮本直毅氏によるエロゲー文化研究概論」の増補改訂版が発売されました。

 端的に言えば、今回の記事はこの本を読んで触発されたので、久々に思いっきりエロゲーの話をしたいという主旨です。

エロゲー文化研究概論 増補改訂版

エロゲー文化研究概論 増補改訂版

 

 

  「エロゲー文化研究概論」は、専門分野の参考書を思わせる装丁の通り、教科書のようにエロゲーという異質な文化の歴史を一から紐解いていく貴重な一冊です。堂々と読んでいればオシャレなカフェでも違和感ないでしょう。自分が二年前に初めてブログでエロゲーの記事を書いた発端も「エロゲー文化研究概論」を読んでからでした。

 今回の「増訂版」は100ページ程書き足されており、主に最近のエロゲー関連の話題が纏められております。元はエロゲクリエイターだった方たちが、ラノベやアニメに進出し始めた事や、DLsiteなどでの同人ゲームの躍進など読み応え抜群です。

 前置きはさておき、本題に入りましょう。

 

セガサターンの名作ギャルゲーたち

f:id:nyalra:20170501202624j:plain

 サターンと言えばギャルゲーです。当時のギャルゲー事情を語るに至便な資料としてゲーム批評 Vol.16」があります。残念ながらこの号はAmazonですら取り扱われていないので入手が困難ですが。

 本書では流行するギャルゲーブームについてゲーマーからの賛否両論の意見を載せていく特集が組まれており、セガ広報の竹崎氏によるインタビューでは「一部のサターン専門誌やファンが望んでいるだけで、セガサターンのみにギャルゲーが偏っている訳ではない」と、ギャルゲー目当てでサターンを購入した中学生の言い訳のような意見が出されていますが、

f:id:nyalra:20170501203315j:plain

哀しい事に数字は嘘はつかず、プレステに較べたサターンのギャルゲーの比率は2倍近く多かったりします。みんなえっちなゲームが大好きな訳ですね。この時代はサクラ大戦ブーム真っ盛りな事もあり、取り敢えずギャルゲーを出せば三万本は売れたそうです。その所為で「美少女を出せば良いという安易な考えでは作品の質が落ち続けていく」と美少女ゲーム業界を真に憂う者の存在が当時から確認できます。

  本書で面白いのは、何と言っても読者投稿のこのページではないでしょうか。オタクたちによる同族嫌悪の様子が愉しめます。賛成側の意見も要約すると「三次元の女性はクソ」という内容が多く、この頃からオタクのスタンスは一切変わらない事が分かって面白いです。

 他に本書の特筆すべき点として、やたらと「センチメンタル・グラフティ」に関しての言及が多いです。良くも悪くも話題になった作品ですからね。本書でもあまり内容は褒められてはいませんが……。せつなさ炸裂~。

センチメンタルグラフティ

センチメンタルグラフティ

 

 

 サターンのギャルゲーと言えば誰もが思い浮かべるのはYU-NOですが、そっちについてはねとらぼでのコラムの方で散々語ったので、そっちを参照して下さい。

 較べるならPC版とではという意見もありましたが、PC版と較べるならそれこそサターン版の時代で散々先人たちが比較したでしょうし、どちらかと言えば内容的にもサターンを基にしているので、そちらと較べるのが正しいと思いました。まぁねとらぼ自体がアダルトゲームの話をするのが厳しいという面もありますが。

 

セガサターンの警告メッセージ

 

  セガサターンの特徴といえば警告メッセージです。ゲームによってはオリジナルの警告メッセージが用意されていまして、例えば上に貼った「Pia♥キャロットへようこそ!!2」の音声では、ヒロインの一人である「日野森美奈」のキャラクター付けに使われています。キャラクターが命のギャルゲー作品ですから、こういったオマケ要素は充実している印象があります。

 中でも面白いのはスーチーパイでの警告音声で、かないみかさんとこおろぎさとみさんという非常に声質が似ている二人による会話がある上に、その内容もセガなんてダサいとバカにされたので泣き出す」ところから始まるという、渾身の自虐ネタが見れます。

 これはPiaキャロ2のどうでもいい話です。

 Piaキャロの特徴といえば、何と言ってもプレイ前にウェイトレスとなるヒロインたちの制服を選択できる事ですが、ウェイトレスのギャルゲーといえば印象深いのがヴァリアブル・ジオ

f:id:nyalra:20170501213342j:plain

 最強のウェイトレスを決めるという喧嘩稼業のギャルゲー版のような内容で、システムはなんと格闘ゲーム。更には元はアダルトゲームという意欲的な作品。開発はなんと戯画。KOTOKOによるV.G.NEOの主題歌は名曲です。

Piaキャロットへようこそ2

Piaキャロットへようこそ2

 

 

elfとX指定

f:id:nyalra:20170501213900p:plain

 サターンのギャルゲーといえばelf作品を挙げる方も多いでしょう。「同級生」「下級生」YU-NO」「野々村病院の人々」……どれもギャルゲーを語る上で外すことのできないヒット作です。

 と言っても、前にelfについては詳しく書いた事があるので、その辺はそちらを参照して下さい。なので今回は前の記事であまり触れていない「野々村病院の人々」について書いていきましょう。

f:id:nyalra:20170501214444j:plain

 アダルトゲーム「河原崎家の一族」の続編的な立ち位置の作品。シナリオライターはお馴染み蛭田氏であり、同級生のような純愛モノとは違ったゲームを目指しただけはあり、凌辱的な要素や性的なシーンが強めです。

  原作のアダルトゲーム時代から性的な要素をふんだんに組み込んだだけはあり、サターン版でも乳首が見れます。サターンで乳首が見れるゲームは20本程度ありますが、その殆どが野球拳や麻雀など、元から脱衣がメインのゲーム性なのでこれは嬉しい。

  シナリオとしてはいつもの蛭田節。それにしてもサターンのゲームは探偵主人公が多い気がしますね……。他にも特徴としてはバッドエンドに入る度に登場キャラたちによるヒントコーナーがあります。「こうすればわたしのルートに入れるよ」とメタ的なセリフが多く非常にわかりやすい。ある意味ループゲーですね。腐り姫の「盲点」などもこの派生ですね。

野々村病院の人々

野々村病院の人々

 

 

f:id:nyalra:20170501221910j:plain

  補足としてギャルゲーシステムながら乳首が見える作品には「きゃんきゃんバニー・プルミエール」もあります。こちらと野々村病院はX指定という規制がされているのですが、セガ側もまさか乳首まで描かれると想定していなかったのかすぐに廃止。これ以降はいくら性的な要素を含むシナリオでも乳首は描かれなくなりました。つまりきゃんバニと野々村病院は怒られる前にやっちゃおう! という攻め攻めな勢いなのでした。

きゃんきゃんバニー・プルミエール

きゃんきゃんバニー・プルミエール

 

 

ゲーム性のある作品たち

 この頃のギャルゲーの特徴として、まだまだ従来の紙芝居だけで進むシステムという思い切りがなく、あの手この手でゲーム性が足されています。PSですが純ギャルゲーという印象の強いToHeartでも本編途中でミニゲームをプレイさせられます。

 勿論、このジャンルの頂点にあるのはサクラ大戦ですね。最近でもグラブルとコラボしたりとまだまだ人気を引きずっています。

 ラブプラスの原型とも言える作品「ROOMMATE」はサターンの内蔵時計と連動して、女子大生の私生活を覗き見るという変態チックな意欲作。それ故に時間帯によっては殆どゲームにならなくなったりしたりと、まだまだゲーム性に改善の余地を感じますね。

SEGA THE BEST サクラ大戦1&2(価格改定版)

SEGA THE BEST サクラ大戦1&2(価格改定版)

 

  あまり多くを紹介すると枠を取りすぎるので、かいつまんで印象的な作品を数作。 

 

バトルアスリーテス大運動会

f:id:nyalra:20170501222659j:plain

 例えばバトルアスリーテス大運動会では、モンスターファームのような育成要素がメインです。これまたプレイすると面倒くさい……。ヒロインのフルネームが一文字違いということもあり、ToHeartと共に映っているピンナップなどもあったので、どちらかと言えばPS版の印象が強いかも知れません。

バトルアスリーテス大運動会 DVD-BOX

バトルアスリーテス大運動会 DVD-BOX

 

 

・湾岸トライアルラブ

f:id:nyalra:20170501223310j:plain

  「湾岸トライアルラブ」は、まさかのレースゲーム要素と恋愛要素を悪魔合体させたような作品。シナリオの途中まではあまりレースと関係なかったりと、両方の良いところどりしようとしたら、どっちつかずになったような作品。色々な意味でレーシングラグーンが好きな方には合うと思われます。お勧めはしません。

湾岸トライアルラブ

湾岸トライアルラブ

 

 

慶応遊撃隊 活劇編

f:id:nyalra:20170501223758j:plain

 「慶応遊撃隊 活劇編」は何と言ってもキャラデザが素晴らしい。この一枚だけでも当時の絵柄の良さが詰まってますよね。内容は美少女版スーパーマリオ。前作のメガドライブではシューティングゲームで、PSで出た外伝ではすごろくゲーだったりと、ハードによってゲームシステムが全く違う稀有なシリーズ。

  現在ではプレ値なので、何かの間違いで安く売られているのを見つけたら確保しましょう。

慶応遊撃隊 活劇編

慶応遊撃隊 活劇編

 

 

・ひみつ戦隊メタモルV

f:id:nyalra:20170501224149j:plain

 「ひみつ戦隊メタモルV 」は戦隊モノをパロディしたゲーム。内容も戦隊物のように進んで行く面白い構成で、中でも主人公は女性かつヒロインとの会話中に表情などを選択することで好感度を稼ぐという百合ゲーに近い側面があります。

 その特異なシステムの所為でボイスを飛ばせないという面倒臭さもありますが、サターンではそもそもボイス飛ばせないゲームがそこそこあるので、メタモルVに限ったことではありません。今ならPS版がアーカイブで遊べたりします。

 

 

ひみつ戦隊メタモルV

ひみつ戦隊メタモルV

 

 

プリンセスメーカー-ゆめみる妖精

f:id:nyalra:20170501224855j:plain

 言わずと知れた人気シリーズ。ヒロインがウェーブがかった紫髪という攻め攻めな姿勢から、ナンバリングでない「ゆめみる妖精」が好きです。

 育成ゲーとして程良い難易度な上に、エンディングの種類も豊富で、何度も遊べる良作です。裏社会のボスになったりもできます。

  このツイートは水龍敬先生本人から「なんか俺まで悪いことした気になってきた……」と直々にコメントされたりしました。水龍敬先生ごめんなさい~(昭和的な表現)

プリンセスメーカー ゆめみる妖精

プリンセスメーカー ゆめみる妖精

 

 

 ・銀河お嬢様伝説ユナ

f:id:nyalra:20170501225256j:plain

 好きではあるんですけど、本当に面倒くさい。何と言ってもボイスが飛ばせない上に、登場キャラたちが非常にゆったり喋るのが辛い。一応バトル要素はありますが、全てがゆるゆるでダメージ表現も「いった~い」「やったな~」などの文章で表現されます。

 しかしMS少女などで知られる明貴美加先生のデザインはすばらしく、ヒロインのユナをVガンダムのように換装しまくれるだけで愉しいです。まぁゲーム性もゆるゆるなので余り意味ない要素ですが……。シナリオも王道中の王道。6時間くらいでクリアできます。プレイ時間の3分の2は飛ばせないボイスを聴かされている時間ですが。続編からはシステムが全く違うのも特徴です。

 

リマスター/リメイクされていく名作たち 

f:id:nyalra:20170501225943j:plain

 遂にあのYU-NOまでリメイクされた訳ですが、これ以降もサターンの名作たちは次々現代風になって再ブームがきています。先月は「DESIRE」のリマスターが発売したばかり。

 リマスターは当時のシステムやCGをそのまま引き継ぐのが良いですね。当時の想い出に囚われた老人への良配慮でしょう。EVEのPSP版は大分アレでしたし……。

  PS4では発売せずPC版とVITAのみなのがネックですが、これを機にプレイしてみるとどうでしょうか。メガストアでも復刻版が付録したりした記憶があるのですが、それももう10年近く前の話でした。

DESIRE remaster ver.

DESIRE remaster ver.

 

f:id:nyalra:20170501230805j:plain

  EVE Burst errorPSP版のアレなリメイクを乗り越え、遂にリマスター化されました。気になっていた方はこちらをプレイすると間違いないと思われます。EVEもYU-NOと動揺、一番の面倒な点はDISCの入れ替えなのですが、それがなくなったのは非常に嬉しい。PS2版はあまりキャラデザが好きになれなかったので……。

f:id:nyalra:20170501230841g:plain

 しかしこの名シーンの迫力は旧作のほうが断然ありますね。サターン版だとロードの関係で二人の視点をいったりきたりするのが死ぬほど面倒でしたが。

f:id:nyalra:20170501230910j:plain

 PSP版。何もかも哀しい。

EVE Burst error R - PS Vita

EVE Burst error R - PS Vita

 

 

f:id:nyalra:20170501231211j:plain

  あの「慟哭そして…」もリマスターされます。このゲーム移動が独特でして全て一つずれた動きをするというか、分かりやすく言うと左を押すと上に進み、上を押すと右に進みます。自分の中ではバイオの次に初見で動かしづらいゲームです。

  内容としては脱出ゲームなのですが、とにかくヒロインがすぐ死にます。本当にすぐ死ぬ。他にも真相は別で攻略本まで追わないと分かりにくかったりと、この時代特有の不親切さがありますが、それを差し引いても格段に面白い名作です。

f:id:nyalra:20170501231507j:plain

 それにしても横田守氏の原画は素晴らしいですね。左のキャラは声がリリーナ様。例に漏れずすぐ死にます。

  脱出ゲーらしく主人公がなんでも道具として入手するのですが、どう見ても要らなそうな水槽の蓋や甲冑の腕まで本当になんでも拾います。勿論そういうゲームなので使用する機会はあるのですが、リアルならば閉鎖された状況でもイカれた行為です。

f:id:nyalra:20170501232134j:plain

 これと「黒の断章」の二つは、古き好きホラーとギャルゲーの要素が強めなので大好きです。黒の断章は色々な意味でリマスター化は難しいと思われますので、是非どうにか手に入れてプレイしてみてください。

慟哭 そして…

慟哭 そして…

 

 

終わりに

f:id:nyalra:20170501232834j:plain

 という訳で適当にサターンのギャルゲーのお話でした。勿論この他にもサターンにはギャルゲーが無数にあり、時代が時代だけに実写のゲームも多いです。あとはアニメ原作ならレイアースナデシコウテナなどのゲーム版も名作揃いですね。他には悠久幻想曲などは、昨今のけものフレンズ人気にあやかって再ブームが来る可能性がありますね。2%くらい。

 時間があればドリキャスの話とかも書きたいですね。ねとらぼの方とかで書いてみても良いかもしれません。

ぼくたちのギャルゲークロニクル (オークスムック730)

ぼくたちのギャルゲークロニクル (オークスムック730)