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チノちゃんが段々とココアちゃんに惹かれていく裏で、ココアちゃんとリゼちゃんが濃密に関係していく話

アニメ ごちうさ 創作・SS


 拾ったこのコラ画像見て思いついた一発ネタです。

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 喫茶「ラビットハウス」。穢れを知らないうさぎ達の憩いの場。その天使の集いの中でもとりわけ癒やしとして在るのが、マスターの一人娘であり看板娘の「チノ」だった。

 「チノちゃん~っ! 今日も一日お仕事大変だったよ~! モフモフさせてぇ~……」

 「大変だったって……お客さん、青山さんしか居なかったじゃないですか」

 言い終わる前に抱きつくココアに呆れた表情を見せるチノ。脇目もふらず片付けに勤しむリゼ。いつもと変わらない、ラビットハウスにはありふれたごく普通の光景。しかし、チノの心情だけは少しづつ変化を見せていた。

 ココアさんはお姉ちゃんぶるわりに、すぐ妹に甘えたがるんですから……。

 

 ──全く、しょうがないココアさんです。

 

 

 

 夕暮れ。窓から零れた夕陽の朱が、古ぼけた喫茶店の家具を彩る。

 「それではココアさん、私は泊まりで勉強会に行きますから、くれぐれも家を荒らしたりしないで下さいね」

 「もうっ! 私は空き巣じゃないよ!」

 「チマメ隊でお泊りパーティかぁ。仲良しで羨ましぃなぁ」

 「お泊りパーティではなく勉強会です……。リゼさん、今日もお疲れ様でした」

 ぺこっと二人にお辞儀をすると、荷物を整えチノはお店を後にした。浮かれ気味の足取りから、何だかんだ友人とのお泊りを愉しみにしているのが解る。

 見送ったココアとリゼは、まるで初めてのお使いへ向かう愛娘を見守るような視線を外すと、そっと店の奥へと戻っていった。

 

 

 メグ家での夜。お勉強会とは名ばかりで、結局散々遊びまわり疲れたチマメ隊の三人。すやすやと寝息を立てるお友達を背にし、チノはスマホを見つめて独り悶々としていた。

 ──ココアさん、今何してるんでしょうか……。

 重度のココアシック。それが今のチノに振りかかった、どんな病より重い症状。ココアと離れて数時間も経ってないのだが、いつもは常に近くに居るだけに、こんな夜はいても立ってもいられなかった。

 おかしいです。ココアさんだって立派な高校生です。一人でだってキチンと生活できる筈です。……私なんかが心配しなくとも。

 言葉では納得していても、感情は理解できていなかった。何度もアドレス帳を開いては閉じる。もう数ミリ指を伸ばせばココアの声を聴ける。聴きたい。いつもの調子で「おやすみ」と言って貰えるだけで安心することができる。けど……。

 ……結局、ココアへの連絡はメールに留めた。今はこれで我慢しよう。その分、帰ったら沢山ココアさんと会話しよう。長かった乙女の葛藤は短い文面に乗せてラビットハウスへと送信された。

 

 

 ビリリ。ビリリ。ココアの部屋に無機質なメールの着信音が響く。

 が、今のココアにそんなノイズなど耳には入らない。

 「んっ……、リゼっ……ちゃんっ……! あっ……」

 粘膜と粘膜が重なり合う音。激しい息遣い。

 「ココアやめっ……。それ以上はっ……ヤバいからっ……んっ……。だめ、だめだっ……!」

 唇と唇。絡みあう四本の脚が純白のベッドを軋ませる。

 「リゼちゃ……んっ……、好き……」

 「ココアっ、だめ……本当にっ……もう……!」

 言葉では拒んでいても、重なるココアの躰までは拒否できていない。朱に染まったリゼの頬から、歪な行為への期待と昂奮が顕れている。

 ──初めはココアからだった。

 ずっと姉や女友達に囲まれて育ち、異性との関わった経験が年齢にともなっていないココアにとって、リゼから漂う気高さや麗しさ、何より時折見せる男性のような逞しさに性を感じざるを得ない。

 チノちゃんに感じる「それ」とは違う感情は、初めは憧れだったのかも知れない。しかし、いつしか「これ」はココアの中で抑えきれない程に膨張し始め、シャボン玉のように儚く弾けた。

 「やめようココア……。こんな事ふつうじゃないんだぞっ……!」

 言葉とは裏腹、リゼの優しさはココアの欲望を更に刺激するだけだ。密会を重ねる毎に、リゼがどれだけ流されやすく、リゼがどこまで自分を受け止めてくれるかを肌で知っていった。

 リゼの両腕がココアの背中に回った瞬間、ココアの脳裏から「チノ」の二文字は忘却の彼方へ消え去った。

 

 

 

 「チノちゃんお帰り~~! お姉ちゃん寂しかったよぉ~!!」

 「眠ってメール無視していた癖に、どの口が言うんですか……」

 「うぅぅ、可愛い妹からのメールに気づかなくてごめんねぇ~。私はお姉ちゃん失格だよぉ~……」

 言いながらチノを抱き寄せる。ココアのチノへの気持ちは確かに本物だった。

 「ほらチノ、私の特製カプチーノだ。駆けつけ一杯にどうだ」

 「ウチは居酒屋ではありません……。一応頂きます、ありがとうございます」

 昼下がりのラビットハウスは今日も平穏そのものだ。三人娘の微笑ましいやり取りに、思わず奥のタカヒロからも笑みが溢れる。この空間に嘘偽りなんて存在しない。

 「あのっ、ココアさん……」

 頬を赤らめ上目遣いにココアを見るチノ。恥ずかしがり屋な所は歳相応に少女らしい。

 「なぁに、チノちゃん?」

 「昨日、メグさんとマヤさんと3人でボトルシップを作ってみました。あっ……遊んでた訳ではないですよっ! 空いた時間でチマチマ作っただけです」

 チノがそう言って、小さなボトルに収められた帆船のミニチュアを手渡した。その出来栄えから見るに、明らかに空き時間で完成できる代物ではない。

 「ココアさんの部屋は殺風景ですので丁度いいかな、と……」

 テーブルにあったお盆で顔を隠し、喜んで貰えるか不安気な様子があからさまに表情に出ていた。他人に贈り物をするなんて経験が殆どないのだ。

 「チノちゃんっ! とっても嬉しいよぉ~。姉想いの妹が居て私は幸せモノだねぇ」

 「ココアさん、ちょっと! 頬を擦り付けないで下さい……」

 昨晩ベッドで鬱々と養われた陰気は何のその。ココアの笑顔一つで悩みも不安も全て地平の彼方へ吹っ飛んでいく。チノ本人はまだその事を認識しなくとも。

 「早速お部屋に飾ってくるねっ!」

 

 

 「んっ……あっ……ココアっ、そこっ、敏感でっ……んんっ……」

 布と布が擦り合う。まるで、その音が二人の心の隔たりすら擦り切らすかのように。

 コーヒー豆の買い出しへ行ったチノが居ない間に、二人はココアの部屋で蜜月に耽っていた。

 「勤務中もっ、ずっとっ……我慢できなかったよっ……リゼちゃぁん……」

 二人の動きに呼応して机に飾られたボトルシップが揺れる。ボトルの中の帆船も、この関係の行方もまた辿り着く港などなくて。

 「ココアぁっ……ココアぁっ……!!」

 ココアの吐息を感じるリゼ。躰はすっかり上気しきっており、肌の全てが性感帯になったかの如く敏感になる。

 「リゼちゃん私も一緒にっ……!」

 「うんっ、私も限界だっ……。んっ、あぁっ……ココアあぁっ!!」

 

 

 「……なんだかシャロちゃんに悪いね……」

 「シャロは関係ないだろうっ、シャロは!」

 濃厚な空気にあてられ、只でさえ真っ赤だったリゼの両頬が更に朱に染まる。

 ココアは初な反応を示すリゼを愛でるかのように口吻けた。

 「ココアにだってチノが居るだろ……本来なら今だって私じゃなくてチノがっ……んっ……」

 言い淀むリゼの唇を唇で塞ぐ。途切れた会話の続きをココアが代わりに紡ぎだす。

 「違うよ、リゼちゃん……。チノちゃんは大切な妹。……飽くまで妹だよ。妹に恋するお姉ちゃんなんて居ちゃいけなっ……」

 その時だった。閉めきった扉の向こうから聞こえるはずのない音が響く。ショックで何かを落とした鈍い音。まるで買い物帰りの重いレジ袋のような。

 「あのっ、私っ、いつもより早く買い物終わって……。だから、その、ココアさんの部屋のボトルシップでも眺めに行こうかと、それで……。まさかココアさんとリゼさんが子供みたいにベッドではしゃいでるなんて思わなくて……」

 

 ──全くもう本当にしょうがないココアさんですね……。

 

 開かれた扉の先にいる少女の表情を、ココアもリゼも直視する事ができなかった。

 

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